三菱自動車が軽自動車の燃費試験を偽装していた問題がニュースで取り上げられています。
そもそも「燃費試験」とはどういった方法で計測されるのでしょうか?
ここでは、読売新聞(2016年4月23日版)の経済面に掲載されていた「車の燃費試験の仕組み」を基に、クルマの燃費試験の仕組みをメモしておきます。
クルマの燃費試験の仕組み
クルマの燃費試験は、2段階に分けて検査が行われ、燃費が算出されます。
走行抵抗値の測定
燃費試験の第1段階に行われる検査です。
各メーカーが自社のテストコースでクルマを走行させ、走行中に生じるタイヤと道路の抵抗や空気抵抗を測定します。
タイヤの太さやボディの形状によって測定値が変わることは容易にイメージできると思います。
測定方法としては、「惰行法」と呼ばれる方法で、走行中に 10km/h 減速するまでの秒数をもとに算出します。
ちなみに、「高速惰行法」と呼ばれる方法もありますが、現状の燃費試験では認められていません。(米国では認められているらしい)
「高速惰行法」は 1秒ごとに何km/h 減速するかによって測定する方法で、検査時間を短縮できコストがかからない測定方法ですが、日本では違法となります。
回転するローラー上で測定
燃費試験の第2段階に行われる検査です。
こちらは、(独立行政法人)自動車技術総合機構の交通安全環境研究所で検査が行われます。
気温や天候などの測定条件をそろえるため、同研究所の屋内試験場で実施されます。
検査方法は、「台上走行試験」と呼ばれる検査で、クルマを測定器のローラーの上で走行させる検査です。
市街地や郊外での走行を想定して、速く走ったり、停止したりを繰り返して測定します。
この測定で使われるのが、各メーカーが提出する「走行抵抗値」。
ローラーを回転させるときの重さを抵抗値として入力して、屋外で走行したときのタイヤと路面との摩擦抵抗や空気抵抗を再現するわけです。
この「走行抵抗値」、各メーカーが提出するっていうのがミソですが・・・
運転方法で燃費は変わる!
上記の検査で算出された燃費が、クルマのカタログなどに掲載されるワケですが、実際、同じクルマを運転したときの燃費は、意外と大きな開きがあります。
実際の燃費は、運転方法、エアコンやオーディオなどの使用環境によっても変わってきます。
日本自動車工業会の話では、実際の燃費はカタログの燃費より2割程度低くなるとか。
ということは、「燃費試験」はユーザーにとっては参考程度ってことになりますし、実燃費については、同じように感じているユーザーも多いと思います。
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三菱自動車の今回の問題をきっかけに、国交省では燃費データの検査方法を見直す方針を発表しました。
これまでは、各メーカーから提出されたデータに誤りがないことを前提とした検査でしたが、国交省では「検査方法の見直しなど必要な方策を速やかに検討していく」とのこと。
そのためには、今回の問題のすべてを明らかにする必要があり、三菱自動車には問題の全容を明らかにする義務と社会的責任をシッカリと負ってもらいたいものです。
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